日本の地名を遊ぶ


その5. 謂れは極めてストレート。岩手県宮守村 迷岡



地名だの人名だのをつける時、きれいな印象やプラスイメージを心がけるのは現代人の悪弊かも知れない。
たとえば、今の感覚なら「猿丸」なんていう人名は、まずつけないだろう。
この迷岡という地名も、あまり良い印象はしないのだが、昔の人がそれこそ何の迷いもなく、ある故事からネーミングしたらしい。
何でも、平安時代、源義家と戦った安倍貞任がここらで敵を迷わせたとか、自分が迷ったとかいう故事があるそうだ。
それで、迷岡。
もう、そのまんまのネーミングである。
しかし、その読みが「まよおか」というのが、ちょっとおかしい。

お隣の遠野市には踊鹿と書いて「おどろか」という地名もあるそうで、ふたつを並べてみると、何となく味わい深い。

その6へ 目次へ その4へ